【OKD】丘珠空港のポテンシャル

丘珠空港は正式名称は札幌飛行場といい、札幌市東区にある空港である。

道内や特定の本州の都市(函館、釧路、女満別、利尻、奥尻、三沢(八戸)、松本、静岡)を結ぶ便のみの運用である。道内都市間の直接移動が可能な便は存在しない事から乗り継ぎが必須になる。その時のハブ空港としても丘珠空港は利用されている。

北海道内の空路に関して、JALとANAの大きな違いは丘珠空港を使えるかどうかという点だ。丘珠空港はJAL便(厳密にはHAC※ FDA※※)のみが運行している(対照的に中標津空港はANAのみが運航している)。札幌都心へのアクセスが非常に良く、バスで地下鉄東豊線栄町へ移動(10分程度、350円、徒歩で20分程度)後は地下鉄さっぽろ駅までこれも10分程度(250円)で移動する事ができる。タクシー移動した場合も同様に20分程度、費用は5000円程度かかったはずだ。

※HAC(北海道エアシステム)・・・JALの子会社

※※FDA(フジドリームエアライン)・・・JALと業務提携

対して新千歳空港から札幌駅まではJRで40分程度かかる(快速エアポート1150円)。現在は「特別快速エアポート」というものもありこれは33分で移動可能となっている。多分この便が最近登場したのも40分という時間が新千歳空港の不便さにつながっていることを自覚してのことだろう。新千歳空港は空港内が広い事もあり単純に歩行での移動距離を含めるともっと時間の差が出てくると思う。勝手な感覚として新千歳空港から札幌駅までは1時間超はかかる印象がある。それくらい数字にならない時間(徒歩、JR出発までの待機時間)があると考えている。


ここまでで丘珠空港の利点、新千歳空港の交通の不便さが少し伝わったと思う。ここまで丘珠空港を持ち上げておいて恐縮だが、空港の質に関して実際は新千歳空港>>>>丘珠空港というのが現実である。広さの話をしたが丘珠空港には食堂が一つあるだけでラウンジもない。バスターミナル程度の設備しかないのだ。もちろん乗り継ぎで2時間以上待機することもあるが、その間に近隣で休憩できるカフェも遠い。細々と運航しているというのが実情の様だ。


さらに丘珠空港は東京からの発着便はない。ここが一番重要と思われる。仮に羽田からの直行便が新規にできた場合、その需要は新千歳空港の需要を上回る可能性はある。ただそれをカバーするための大型旅客機を発着させる能力は丘珠空港にはない。割高な高級路線として売り出しても今度は新千歳空港に競争で負けてしまうのが関の山なのだろう。

どうにか丘珠空港の利便性を強調してより便利な空港にパワーアップしてほしいところだが、保安検査場の手荷物検査のためのX線装置は一台だけ。乗り継ぎする予定なのに保安検査場に再入場する必要がある。サクララウンジはもちろん、カードラウンジもない。この辺を改善してもらえると、さらに快適になりそうなものだが現状は厳しいのだろう。

ロケーションとしては新千歳空港よりもポテンシャルがあると思っているのでさらに頑張ってほしいものだ。2022年に札幌市は滑走路延伸を検討し始め、この動きが少し活発化する事を願うばかりだ。